雲南・建水でつくられる紫陶。
土を選び、
手で形をつくり、
書画を刻み、
異なる泥を嵌め、
火を通し、
最後は釉薬を使わずに磨き上げる。
一つの器が完成するまでには、
多くの手仕事が重なっています。

01 / WHAT IS JIANSHUI ZITAO
建水紫陶とは。
建水紫陶は、雲南省建水県でつくられてきた陶器です。碗窯村には古くから陶器を焼く営みがあり、現在につながる紫陶の技法は、清代の道光年間に始まったとされています。
2008年、「陶器焼成技法(建水紫陶焼成技法)」は、中国の国家級無形文化遺産に登録されました。
土地の土と、そこに受け継がれる手仕事。建水紫陶を知る入口は、その二つにあります。

02 / CLAY
器の表情は、
土から始まる。
建水で採れる陶土を整え、器をつくる泥にする。細かな土の粒子を扱うことが、なめらかな器肌や成形の土台になります。
焼き上がりには、紫がかった赤、褐色、黒に近い色など、さまざまな表情が見られます。泥と焼成、仕上げの組み合わせが、その違いを生みます。
異なる色の泥は装飾にも使われます。土は器の材料であり、表現の一部でもあります。
03 / FORMING
手で引き、
形をつくる。
伝統的な制作では、ろくろによる手引きが重要な成形方法です。回る土の中心を定め、器壁の厚さを見ながら、少しずつ輪郭を立ち上げます。
茶壺では、壺身のふくらみだけでなく、注ぎ口、把手、蓋との釣り合いも大切です。見た目と使い心地を、一つの形の中に収めていきます。
同じ意匠でも、手で形を整える過程にはわずかな違いが残ります。それぞれの器に残る、小さな個体差です。

04 / CARVING & INLAY
陰刻陽填(いんこくようてん)描くのではなく、
刻み、土を嵌める。
「陰刻」は文様を彫りくぼめること。「陽填」は、そのくぼみを異なる色の泥で満たすこと。
装飾は表面に載せるのではなく、器そのものの中へ。
湿り気を残した素地に書や絵を描き、その線を刻む。できた溝へ異なる色の泥を嵌め、表面を整えていきます。焼成と仕上げを経て、文様が器肌と一体になります。
書、絵、彫刻、泥の色。その重なりが、建水紫陶の装飾を特徴づけています。


書画
湿った素地に、線と構図を置く。
刻む
文様に沿って、溝をつくる。
嵌める
異なる色の泥を溝へ入れる。
整える
余分な泥を除き、器肌を整える。
書画、花鳥、抽象的な文様など、表現は作品によって異なります。掲載写真は制作と装飾の場面です。刻坯・填泥の工程をそれぞれ確定する資料ではありません。
資料:紅河州文化・観光局 ↗05 / FIRING
柴焼き・薪焼成火を通して、
土を器へ。
高温で焼成することで、柔らかな土は、硬く締まった陶器へと変わります。
薪の火が残す、表情。
柴焼きは、薪を燃料とする焼成方法です。炎の流れや窯の中の環境、作品の置き方などが、器肌の現れ方に関わります。
土の色を均一に揃えるのではなく、焼成による変化を見つめる。そうした楽しみ方もあります。ただし、色むらや光沢だけで柴焼きと判断することはできません。
すべての建水紫陶が柴焼きではありません。個々の作品の焼成方法は、作家・工房の資料で確かめます。

三つの、異なる視点。
- 柴焼き
- 火をどう使うか ― 焼成方法。
- 陰刻陽填
- 文様をどうつくるか ― 装飾技法。
- 無釉磨光
- 器肌をどう整えるか ― 仕上げ。
同じ分類の三種類ではありません。組み合わせや仕上げは作品ごとに異なり、柴焼きの肌を残す作品もあります。

06 / UNGLAZED POLISHING
無釉磨光(むゆうまこう)釉薬ではなく、
磨いて生まれる光。
建水紫陶の特徴の一つが、無釉磨光。釉薬の層で覆うのではなく、焼成した陶胎そのものを磨く仕上げです。
粗い研磨から細かな研磨へ。表面を繰り返し整えることで、土の肌に光が現れます。光沢の強さや仕上がりは、作品によってさまざまです。
触れると、硬さの中に滑らかさがある。光を受ける面を眺め、指で確かめる。その両方で知る器です。
THE PROCESS
一つの器ができるまで。
- 01土を整える
- 02ろくろ成形
- 03形を整える
- 04書画・装飾
- 05刻む
- 06泥を嵌める
- 07修整
- 08焼成
- 09磨光
作品や装飾技法によって、工程や仕上げは異なります。
07 / VALUE
価格ではなく、
手間を見る。
器の価値を知るとき、名前や価格だけでは見えてこないものがあります。形をつくる時間、装飾の工夫、手に取った時の納まり。その一つずつに目を向けてみてください。
手仕事
成形から装飾、仕上げまで、多くの工程に人の手が入る。
技法
刻填や無釉磨光など、土の性質を生かす技法。
造形
蓋、口、把手、注ぎ。姿と実用性のバランス。
一点性
手仕事に残る細かな違い。一点物であるかどうかは、作品ごとに確かめます。
08 / FOR TEA
見るためだけでなく、
茶を淹れるための器。
良い茶壺は、姿だけで決まるものではありません。
手にした時の重さ。蓋の収まり。湯を注いだ時の流れ。実際に茶を淹れて初めて分かる部分があります。
容量がいつもの一杯に合うか。把手を無理なく持てるか。注ぎ口からの湯の流れ、洗いやすさはどうか。使う人の習慣と照らし合わせて選びます。


CHOOSING YOUR VESSEL
自分に合う器を選ぶ。
選び方の目安。茶と器の組み合わせに、唯一の正解はありません。
- 容量・人数
- ひとりなら小さめ、二〜三人なら少し余裕のある容量を目安に。杯の大きさや、何煎楽しむかによっても変わります。
- 茶・器形
- 葉の開き方や、香りの感じ方を、淹れ方と合わせて考えます。特定の茶に一つの形を決めつけません。
- 重さ・触感
- 空の時だけでなく、湯を入れて扱うことも想像しながら。持ちやすさや表面の感触を確かめます。
- 作者・作品
- 作者、制作方法、装飾、仕上げを、確認できる資料から知る。好きな表情と、使いやすさの両方を大切に。

TEA SETS
一式で、
茶の時間を。
茶壺と茶杯を、
組み合わせて楽しむ茶器セット。
初めて茶器を揃える方にも、
贈りものにも。
購入ページへのリンクは確認中です。
MAKERS & WORKS
つくり手の違いも、
器の個性になる。
線の引き方、形の取り方、仕上げの表情。つくり手の選択が、器に残ります。
作者と制作背景を確かめながら、作品ごとにご紹介していきます。
作者・技法・作品情報を確認してから掲載します。
COLLECTION
彩雲茶舎の建水紫陶。
日々の茶を淹れる壺。口に触れる杯。茶席を整える道具。
それぞれの役割から、器との出会いを。オンラインの作品紹介は順次準備しています。
茶壺
姿と、注ぎ心地を。
作品準備中茶杯
手と口に触れる、小さな器。
作品準備中茶盤・茶器
茶の時間を整える道具。
作品準備中作家作品
つくり手の表現に出会う。
作品準備中